対話カフェVol.17「まにわ対話カフェカード説明書(未完成)をみんなで仕上げる会」参加レポート
2026年2月20日、真庭市交流定住センターにおいて「対話カフェVol.17」が開催されました。今回のテーマは「まにわ対話カフェカード説明書(未完成)をみんなで仕上げる会」。 対話カフェカードの使い方を解説する説明書を、参加者みんなで一緒に考え、意見を出し合いながらブラッシュアップしていくという、これまでとひと味違った試みを参加者のひとり、甲田智之がレポートします。

「まにわ対話カフェカード」とは
「まにわ対話カフェカード」は、てつがくや松川えりさん監修のもとつくられた、年代や立場を超えて話せるテーマが書かれたトランプ形式の対話ツールです。遊びながら対話のテーマを決められる仕組みになっています。 (詳しくは、https://kyousei.maniwa.city/report/philosophical-practice-report/ をご覧ください)
たとえば、「じぶんって何?」「苦手は克服すべき?」「友だちって何?」などなど。正解が決まっているわけではない、お互いの背景を深く知ることのできる問いが書かれています。 ちなみにスートによってテーマが分けられていて、スペードは「自分」、ハートは「相手(他者)」、ダイヤは「社会」、クローバーは「自然」となっています。 2枚のジョーカーは「対話のヒント」になるものとして、コミュニケーションや対話そのものについて考えるきっかけを提供してくれます。
ごちゃまぜの対話をしよう、を合言葉に「気軽に対話の生まれる文化が生まれたらいいな」という思いでつくられたカードです。
「まずすべてのカードを並べ、気になるカードを選んでもらう」
そんな「まにわ対話カフェカード」をもっと使ってもらえるよう、未完成だった説明書をみんなで仕上げていこう、と会を設けました。 カードの概要や生まれた背景、対話のマナー、カードの仕組みは整ってきていたのですが、「使い方」や「遊び方」はまだまだ無限大。 また、「どんな言葉を選べばわかりやすいか」「伝えるべき漏れはないか」など、実際にカードを使って対話しながら、カードへの「気づき」を監修の松川えりさんに返していく会となりました。
はじめは、アンバサダー大塚雅史さんの活用事例紹介から。 (大塚雅史さんについては、https://kyousei.maniwa.city/report/interview-masafumi-otsuka/ をご覧ください)
大塚さんの使い方は、「まずすべてのカードを並べ、気になるカードを選んでもらう」というもの。 すべてのカードを全体的に眺め、相手が選ぶことで「いま、どんなことに興味関心を持っているのか」を知ることができます。たとえば、仕事のことで悩んでいる人は「失敗してもいいのは、どんなとき?」というカードを選ぶ傾向にあると言います。 そして、選んだカードの問いから「なぜ、それが気になったんですか?」「なぜ、そのカードを選んだんですか?」と掘り下げていくことで、対話がスムースはじまり、また深まっていくのだそうです。
「肩書きにとらわれない、自己紹介ができるのも特徴です」と大塚さんは言います。 肩書きや年齢、見た目に左右されず、その方の「問題意識」や「背景」を知ることができるため、より本質的な自己紹介になっているとも話してくれました。

「ジジ抜き」「ダウト(座布団)」「7並べ」「神経衰弱」
大塚さんの活用事例紹介に続いて、2班に分かれ、それぞれ実際に「まにわ対話カフェカード」を用いて遊んでみました。
説明書にある「カードの使い方」は、「運任せで選ぶ」「聞きたいことを聞く」「ダウト(座布団)」「7並べ」「神経衰弱」。そのほかにも、ひとりで楽しむ方法として「1日1枚」や「散歩のお供に」なども紹介されています。
わたし甲田が参加したグループではまず、大塚さんが紹介されていた「まずすべてのカードを並べ、気になるカードを選んでもらう」で遊びました。 グループのひとりが選んだテーマは、「本物とニセモノってどうちがう?」というもの。デザイナーであるその参加者は、元ネタへのリスペクトやパクリ疑惑、著作権のはざまで揺れ動く仕事への思いを教えてくれました。
続いて、「ダウト」も実践。 ダウトとは、カードを裏返して「A」から順番に「2、3、4……」と言いながら、ひとりずつ出していくゲームです。裏返しているので、順番どおりのカードがなくてもウソをついて別のカードを出すことができます。 ただ、ほかの人が「ウソだ」と思ったら「ダウト!」と宣言。ウソ(順番どおりではない)カードだったら出した本人が、ホント(順番どおりだったら)「ダウト!」と宣言した人が、場のカードを引き取ります。
いずれにしても、最後に出された「テーマ」で1分間トーク。先の「選ぶ」のと違い、「偶発性」の高いテーマ選びのため、戸惑いながらも普段なかなか思いを馳せないテーマで話すことができました。
その後、グループのひとりが「テーマ」を知らされないまま、対話がはじまり、そのテーマを当てるという名前のない遊びもして、遊ぶ余地のある自由度の高いカードということを改めて実感しました。 ちなみに、もう一方のグループは「ジジ抜き」をして、最後に残ったカードのテーマで対話を行なったようです。

「対話は結論を出すためのものではなく、ちがいが見えることに意味がある」
ひと通り遊んだあとは、説明書の内容に対して意見を出し合う時間へ。参加者からは、さまざまな観点の気づきが寄せられました。
説明書内の「対話のマナー」について。 松川さんより「対話のマナーといえば、〈最後まで聞く〉も挙げられるが、カードを用いて対話をする場合、止めないと終わりが迎えられない、という理由から〈最後まで聞く〉は省いています」という配慮がありました。
それに関連して、「対話の終え方」も大切という話にもなりました。 時間を決めて区切るのも良し。あるいは最後に「あまり話さなかった人に感想をきく」「対話で見つかった共通点・相違点を確認する」「対話で出てきた新たな疑問を確認する」「今日のハイライトシーンを選ぶ」などの方法もあると話が出ました。
「まとめなくていい」の意味について。 説明書内の「対話のマナー」に、「まとめなくていい」という項目があるけれど、「自分の話をまとめなくていい」にも「みんなの意見をひとつにまとめなくてもいい」にも読み取れるという意見も出ました。 本来の意図は「対話は結論を出すためのものではなく、ちがいが見えることに意味がある」ということ。そういう本来の意図にも話が発展しました。
ファシリテーターについて。 カードを遊ぶうえで「ファシリテーターが必要になるかもしれないので、ファシリテーターについて記すのはどうか」という話にもなりました。ただ、このカードの目的のひとつが「進行役の負担を減らしたい」のため、ファシリテーターのあり方を「対話のマナー」で補いつつ、「みんなで助け合えるコツ」を盛り込むことが提案されました。

「一人で迷っていたことが、みんなで解決できました」
参加者から意見が出た後、監修の松川えりさんより「本当に助かりました。ひとりで迷い始めると、本当にきりがなくて。今日みなさんにいただいた意見をもとに、さらに磨いていきます」というお話がありました。
参加者から出た意見をもとに、説明書はさらに改訂が加えられ、「豆本」として完成する予定です。 (説明書の内容は、「まにわ対話カフェカード説明書」投稿後のURLをお願いします をご覧ください)
その「豆本」で「まにわ対話カフェカード」の使い方・遊び方を知ってもらいながら、また今回は大塚さんに続く「アンバサダー」候補の方もいらっしゃって、この「まにわ対話カフェカード」の広がりが感じられる時間となりました。

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