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気負わずに集える、親子の居場所をつくりたい

北房つどいの広場「ほくぼう ほたるっこ」

真庭市の北房(ほくぼう)地域には、子育て中の親子が気軽に集える「北房つどいの広場 ほくぼう ほたるっこ」があります。

「気を遣わずにふらっと集える場所があったらいいな」

自身の経験をきっかけに活動を始め、15年以上にわたって「居場所づくり」に取り組んできた「北房つどいの広場 ほくぼう ほたるっこ(以下ほたるっこ)」。ママさんたちを感謝の気持ちで迎え、「対話」を通じた居心地の良い場になっています。 多くのママさんたちに支持され、おじいちゃんやおばあちゃんにも広がる「居場所づくり」について、どのように「つくっているのか」代表の原優子さんを取材しました。

「ほたるっこ」を始めたきっかけと、活動内容について教えてください。

私自身の体験からなんです。子どもが生まれてすぐ、家で子育てをしていると、どうしても赤ちゃんと自分の2人きりになってしまうんですよね。それはそれですごく嬉しいことなんですけど、たまに大人と喋りたくなるんです。 旦那さんが帰ってきたら話せるけれど、それも時間が限られているから、夜にバーッと喋ることもできなくて。

友だちの家に行くこともあったんですけど、そうすると今度は「手土産を持っていかないといけない」とか「お昼ごはんはどうする?」とか、だれかが気を遣うことになるんですよね。申しわけないなと思って。 だから気を遣わずに子育て中の親子が、ふらっと集えるところがあると良いんじゃないかなと思ってつくったのがきっかけです。

現在は、毎週月曜日から金曜日の9時30分から15時30分まで開いています。予約も登録も不要。本当に、気軽にふらっと来ていただける場所です。 お母さん同士がゆっくりと話したり、スタッフと話したり。1人でのんびりもできます。そのあいだ、子どもたちは自由に遊んだり。特別なプログラムがあるわけではないので、のんびりとした場所で、思い思いの過ごし方ができるようになっています。

ご自身の体験から始められた活動が広がっていったのはどういう経緯でしょうか?

最初は、保健師さんに相談して無料で使える「北房ふれあい会館」でスタートしました。2009年11月が第1回で、久世地域で知り合った友だちグループが歌や絵本で手伝ってくれて。 月1回から始めたんですけど、これまでなかったからなのか、たくさんのママさんが来てくれたんです。「北房ふれあい会館」に親子40人ぐらいが訪れて、会館の人も驚いていました。

場所を「北房文化センター」に移したりしながら、10年近くボランティアで続けていたんですけど、ちょうどその頃、北房振興局(真庭市役所の北房支所)の局長に女性がなられたんです。 その方が「ここ(北房振興局の2階)を使ってみない?」と声をかけてくださって。週1日から始めて、始めてみたら来てくれる方が増えて週2日になって。その後も来てくれる方が増えて「じゃあ毎日開けよう」となって(笑)。 さすがに毎日開けるのはボランティアでは難しいので、お仕事として運営することにしました。

場づくりや、利用者の方と接するときに心がけていることを教えてください。

まず「来るまでのハードルが高い」ということを意識しています。着替えて、荷物を準備して、家を出て、クルマに乗ってここまで来る。 そのひとつずつのステップを乗り越えて来てくださっているので、「来てくれてありがとう」という気持ちを忘れず迎えられるようにしています。お母さんが来ようと思わないと、子どもは1人では来られないので「お母さん、ありがとう」の気持ちです。

それから緊張せず、居心地良く、ゆっくりと過ごしてほしいなって思っています。1人になりたい人は1人で、おしゃべりしたい人はおしゃべりできるように。その人のその日の状況に合わせて寄り添うということを念頭に置いています。 妊娠中だったり、お子さんの年齢だったり、そのときの気持ちだったり、本当にいろんな状況や背景がありますから。

スタッフはみんな、産後のお母さんの気持ちに配慮できる、優しい人ばかりです。産後のお母さんってすごく大変なんですよね。初めての子育てに奮闘されていて寝不足だったり、自分の時間が持てなかったりする。私たちもそうだったからこそ、お母さんたちの応援をしたい。

おかげで、もちろん子育て中の親子が来られることが多いんですけど、お孫さんを連れておじいちゃん、おばあちゃんが来られるようにもなっています。世代を超えた交流が生まれています。 お母さんだけが1人でふらっと来られることもあります。普段仕事をしていて、休みが取れた日に、子どもは小学校に行っている時間に。お母さん自身の居場所にもなっているんだなと感じます。

「対話」を意識するようになったきっかけを教えてください。

あるとき真庭市立中央図書館で行われた「対話カフェ」に行く機会があって。娘と参加して、すごく楽しかったんですよね。

そして一番衝撃を受けたのが、「対話カフェ」の一環で行われた「ファシリテーター養成講座」です。「対話ってどういうものか」「ファシリテーションとはどういうものか」を学んで、自分が今までやってきたことが「じつは対話だったんだ」って気づいたんです。 何かを学んできたわけではなかったんですけど、15年ぐらいお母さんに寄り添うということを、スタッフと一緒にみんなでやってきたことが、じつはそういうことだったんだって。

相手の状況に配慮しながら傾聴したり、相手の存在ありのままを受け止める姿勢であったり、何人ものお母さんのなかで話をまわしていくファシリテーションをしたり。「あ、これがファシリテーションっていうんだ」って後から名前がついたような感じでした。

クリスマス会で「対話カフェ」を開催されて、いかがでしたか?

「面白い!」って私が思ったことを、スタッフやお母さんにも伝えたいなと思っています。なので「対話カフェ」も私から提案して、「じゃあクリスマス会でやってみましょう」とスタッフがアイデアを足してくれて。

対話カフェの場って少しふしぎな場になるというか。対話をすることで相手のことが深く知れるんです。でも深掘っていくけど、さらっとしている。そしてここで話したことは外には漏らさない。その場限りの安心感もあるんだと思います。

参加したママさんからは「すごく楽しかった」という感想が多くて。「あんまり人には言えないけど、じつはこんなことをしているんです」とか「こんなことを考えているんです」とか。 何度も会っているのに「そうなんだ!」って驚くこともありました。そのあたりも含めて「対話カフェ」の面白さなのかなって思いました。

これからの「ほたるっこ」について、そして同じような活動をしようと思っている方へのメッセージをお願いします。

「つねに開けている」ことに意味があると思っています。いま困っている人が、いま必要だから来てくれる。だから「ほたるっこのこれから」は、これからも変わらず、「ここを開け続ける」ですね。

私たちが楽しくやっていたら、きっと来てくれる人も楽しいはず。イベントを企画するときも、ワクワクすることを意識しています。そういうちょっとした信頼関係とか、その日その日に生まれるものを大切にしながら、これからも続けていきたいです。

もし、これから新しく始めたいと思っている人がいたら、その人がしんどくならないようフォローしてあげたいです。大切なのは、運営している人が元気でいることですから。私たちスタッフがげっそり疲れた顔をしていたら、だれも来ないと思うんです(笑)。 「元気かな?」「笑えているかな?」「幸せに生きているかな?」スタッフともそういう自分への問いかけを意識するよう共有しています。

新しく始めたいという人が来たら、その人がキラキラ輝けるような仕組みづくりを一緒に考えたいと思います。


北房つどいの広場「ほくぼう ほたるっこ」

  • 住所: 真庭市下呰部248(北房振興局2階)

  • 開館: 月~金曜日 9:30~15:30(祝祭日・年末年始は休館)

  • 利用料: 無料

  • 予約・登録: 不要

取材・編集:甲田智之

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